カンボジアで2店舗同時出店の準備中、ブチ切れる人続出中

あるカンボジアの取引先でのこと。
私はどうしてもそこと取引がしたかった。
そこに私と救世主、商品開発のミキの3人でお邪魔した。

最初はとても良い雰囲気で始まる。
彼らの作り出した商品はとても美味しい。
私は彼らの商品は、近い将来にカンボジアを代表する
お土産になると確信していた。
だから今こそ、取引をスタートさせておきたい。

良い雰囲気の中で交渉が始まる。
救世主は英語を話せないので、私が通訳をする。
交渉相手はフランス人。
なんでも3人で立ち上げた会社だそうで
うち2人が出迎えてくれた。

救世主は、相手の話もロクに聞かず
ドンドンと質問をして私に早く訳せと言う。
ちょっと待ってよ。相手の話も聞かないと。

フランス人は話が長い。
途中で話を切って、救世主に訳す。

まどろっこしいフランス人の交渉に
救世主は訳せとガンガンまくし立てる。
一体どうやって、そんな失礼なことを
訳せるのか。訳すものか、という気になってくる。

救世主の左脳はフル回転しているらしい。
しかし現実は、救世主の左脳よりはるか
手前の場面である。

フランス人の話に耳を傾ける私に愛想を
つかした救世主は、ミキに訳せと
通訳を依頼し、ミキにガンガン質問している。

私はフランス人の話を聞いている。
二つの会話が同時進行していて、段々
私もイラついてくる。

すると突如、英語を話せないはずの救世主は
フランス人に向かって、なんと英語で叫んだ。

「ノーっ!!!!」

フランス人はびっくり。
私もびっくり。
せめて、、せめて日本語で言ってくれ。。。

私は取引先との関係をすごく大切にしているのに
その相手に向かってデカイ声を出すとは、、。
・・・ムカついた。

私もデカイ声で、まずはミキに
「救世主に通訳しないで!」と言う。
そして、私は救世主の方を向いて

「私との話に集中してください!」
と、救世主に負けない声量で言った。

私の声は、その場で響き渡り、
一同、シーン、、、とした。

それが、気まずい空気感を作り出し、結局
フランス人はもう一人の創業メンバーと相談したいと
その日は、交渉を終えた。

その晩、考える。
どうして昭和の男はデカイ声出すんだろう?
と救世主のことを思う。
弊社の窮地を救ってくれた存在だし、頭も抜群にキレる。
しかし、違う意味でもキレる、さらに超毒舌なのだ。

途中で、私と同い年だと思い出し、
昭和という問題じゃない、と思い直す。
それに、結局デカい声出したのは
私も同じ。。。

思えば、父もすぐにデカイ声を出す人だった。
そんな人がそばにいると、私まで大声を出してしまう。
そんな自分の嫌な部分が出てくるのがイヤだ。

しかし、父のような人は、時に彼氏だったり
時に友人、時に取引先、そして今回は救世主として
私の人生に現れる。

普段は声を荒げることなど、ほとんどない私が(多分)
そんな人が現れると声を荒げて返してしまう。
これは一体、なんの試練なのか。。
誰か教えてほしい。

翌日、アフリカとカンボジア焼けで肌が
ボロボロの救世主は、私の友人の美容サロンで
お肌の手入れを受けることになっていた。

良かった。
救世主は、お肌の手入れでもしていてくれたら平和だ。
私とミキだけで交渉の場へ再び訪れた。

先方はZoomで遠隔で一人と昨日の二人が参加。
和やかに交渉がスタート。
しかし途中で提案された条件はありえない数字。

これでは取引できないと、はっきり伝えると
フランス人3人は、フランス語で話しはじめ
最後には、ウチの救世主のように一人が怒鳴った。
すると二人目も怒鳴り、すごいことになっていった。

なんだ、私たちと同じじゃないか。
良かった。

一人がZoomの画面の中でデカイ声を出している彼を
バックヤードへ運んで、裏でデカイ声で揉めていた。

どこも真剣になれば、同じなんだと
少し安心した。。。

そして、最終的になんとか折り合いがついて
最終交渉は、なんとかまとまった。
最後は、笑顔でみんなで握手をした。

友人で戦略プランナーのミキが分析する。
こちらも女性だけでなく
「NO!!!!」とデカイ声をだす男性がいる
ということも相手に知ってもらえて
かえって良かったんだよ、と。

それで引き締まったことは認めるけどね。
でもね、取引先で大声はイヤなのよ。
とはいえ、救世主がいなかったらウチは潰れてたしな。
・・・感謝しよう。

その晩、救世主は無邪気にピカピカのお肌で現れた。
憎めない人だ。(怒鳴るところを抜かして)
そしてゲストも加わって、みんなで楽しくご飯。

楽しいひと時に
熱帯の生暖かい風が吹き抜けてゆく。

空を見上げて、出店は間に合うんだろうかと
心の中で思った朧月夜の夜。

2店舗同時出店まであと44日。
どうか間に合いますように。

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