起業前7話:周囲が変わる瞬間はどんな時か?

とうとう無断欠勤をしてしまった私は、その翌日、恐る恐る会社に家に電話した。母は、そんな娘に育てたつもりはない、すぐに帰国しなさいという。上司も同様に怒りのボルテージは以前より上がっていた。当然である。

あー、ヤバい、ヤバい。どうしたものか。私は考えた。皆のいうことを聞いて帰国したとする。ここで私が帰国して、会社に貢献できることはあるのか?答えは「否」。

新人の私が1ヶ月支店にいてもいなくても、全国に支店のある大手企業には何の影響もないだろう。では、私がここに残ったとして、会社に貢献できることは何か?ない頭をひねる。

・・・そうだ、「日興証券」という名前を自ら言うようにしよう。それが全国放送で、あのゴールデンタイムに30%以上の視聴率を誇る番組で会社名が出たら、、、それはきっとすごい価値になる、今の私にしかできないことだ。そこまで考えると、私は「今を楽しむ」ことに決めた。

いよいよアメリカ本土に渡る。ここでまたアメリカ横断ウルトラクイズのスケールの違いを目の当たりにした。

ロサンゼルスでは「戦車クイズ対決」だった。問題に正解してルーレットで当たりを引くと勝ち抜けられるというもの。すると本物の戦車に乗って福留アナが登場して、全員が驚く。戦車の音だけで何も聞こえない。更に突然の発砲!耳の鼓膜が破れるかと思うくらいの大迫力だった。

そして戦車に乗ってクイズ対戦。私の対戦相手は薬剤師の女性。どう考えても「知力」が違いすぎる。もうダメだ。。最初の問題、薬剤師さんが正解してルーレットに挑戦、「ハズレ」を引いた。次の問題も同様にハズレた。続いて、最後に私がわかる問題が出て正解。そしてルーレットに挑戦。

私は、私のラッキーナンバーの2を引く。それが当たり、私は「運」で勝ち抜けてしまった。

そして、嬉しさとセットで、恐怖の電話タイムが待っている。

まずは、家に電話する。

「また勝っちゃった」

すると意外にも母は笑い出した。「わかったわ。そこまで行ったんだから、頑張ってらっしゃい。ちゃんとお化粧するのよ」

私は複雑な気持ちになり、ホッとした。さて、次が本当に怖い。深呼吸をしてから直属の上司に電話する。すると驚いたことに上司も笑い出した。

「もういい、頑張ってこい。行けるだけ行けよ!」

私は気持ちが一気に明るくなった。怒られることを続けていると、応援されるんだという体験はとても新鮮だった。もしかすると、私が会社のためにできることはないかと考えたから、神様が状況を変えてくれたのかもしれない。

「また、明日から頑張ろう!」

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わかな語録:「ある一線を超えると、反対者は応援者となる」

◆ 続きはこちら 起業前8話:成功者(クイズ王)の習慣

◆ 最初から読みたい方はこちら↓

起業前1話:バブル時代、ある目的のために給料で「銀座証券レディ」の道を選ぶ

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