
あー、もう嫌だ嫌だ!
全て辞めてやる!本当に心からそう思った。ここで、救世主の顔に辞表を叩きつけて去る、そうしたかった。
しかし、残念ながら私が社長だ。
このやり場のない感情をどうしたものか。
まさか人間関係のもつれで、こんな発想になるとは。。
それも相手は会社を救ってくれた恩人の救世主である。
あれから3年が過ぎてしまった。
3年前、ブログを書く気持ちにもなれなかった。
最近やっとブログを書く気になってきたので、再開していこうと思う。
あれから、いくつかのとんでもない事件が起こった。
あの最初の事件があった時は、2022年。
その年の7月は2店舗目と3店舗目を出店する予定であった。
世界で1番好きな場所、アンコールワットのある街、シェムリアップ。ここの国際空港に出店することは長いこと私の夢であった。
さらにカンボジアの首都プノンペンの国際空港への出店だ。
私とミキは、新商品開発に関する事全てを担当。救世主は出店工事を全て担当する。
最初3人、毎日のようにミーティングをし、途方もないタスクをひとつずつやる。良い感じだった。このペースでやればなんとか終わるだろうと見込みができた日。
「俺、アフリカ行ってくるから」
「は?」「は?」
驚いている私とミキで、思わずハモる。
出発はなんと明後日だという。
あ、あのさ、救世主なのはわかりますよ。
でもね、いくら救世主でも、この大事な時期に
アフリカ行ったら物理的に
終わらないでしょう。
せめてですよ、もう少し前に予定をシェアしてくれるとかさ。
よくよく聞くと、アフリカから日本に帰国して、その翌日カンボジアへ行くという。
「は?」「は?」
あまりにも突飛なことを聞かされて、口達者なはずの私たちですら言葉も出ない。
言葉数少なく
「じゃ」と去る救世主。
ドアがパタンと閉まり、私はミキに聞いた。
「今さ、救世主は明後日からアフリカと言ったよね?」
「うん、そう言ってた」
「で、帰国した翌日からカンボジアって言ってたよね?」
「うん、そう聞こえた」
2人ともしばらく無言となり、やっと我にかえり言葉が出たのは、しばらく後だった。
「ヤバいよー。出店準備間に合うわけないよねー。しかもそんな無茶な予定組んでカンボジア突然死されてもいやだよ。」