出店寸前にもつれる人間関係「全て辞めてやる!」その5

半日後、ミキが私の家に戻ってきた。2人で寝込んでいると救世主から数分おきに電話がかかってくる。電話に出るが、何も聞こえない。 

当時の私の部屋は電波が悪かった。
コロナだし悪寒はすごいしで、wifiのあるカフェに移動することなど到底できない。

救世主のイライラはマックスになっているらしい。

翌朝、ネットが繋がった瞬間に電話が鳴る。
耳に当てると、ありえない音量で
「●●の根源っ‼️」と救世主が怒鳴っている
大声出されるたびに、激痛がはしり、私の頭は割れそうになる。
 一体、彼は何を怒鳴っているのか。
私は頭痛がひどいので大きな声を出さないように救世主にお願いした。

すると更に大きな声で、救世主は叫んだ。
「諸悪の根源っ‼️」
救世主のダミ声が頭に突き刺さる。
痛いことこの上ない。

「あの、すみません。もう少し小さな声でお願いします。誰が性悪の根源なのですか?」
と頭を押さえながら質問すると

「自分‼️」

なぜ救世主は彼自身のことを諸悪の根源などと言うのだろう。

「救世主がなぜ性悪の根源なのですか?」

「だーかーらーっ‼️ジ・ブ・ン‼️」
また大声で怒鳴った。

私は激痛の中で考える。そういえば、関西人は相手のことを自分と呼んでたな。九州人もそうなのか。

そこでやっと救世主は私に怒っているのだと気づく。

– 次回につづく –

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