出店寸前にもつれる人間関係「全て辞めてやる!」その9

あの廃人のまま、夢敗れてカンボジアから去っていれば、こんな思いをすることはなかった。

夢の道に戻れて嬉しさでいっぱいだったのに、もう今日には投げ出したいと思ってしまう自分にも嫌気がさす。

カンボジア好きな私でも、この時は、何がなんでも一刻も早く日本に帰りたかった。
しかし、病院の承認レターがないと帰国を許されない。

もう1日たりとも我慢できない。
ミキを1人私の部屋に残して帰国はできないから、2人ともレターがいる。

後半の数日で格段に楽になったので、いよいよ帰国前に病院に再検査をしに行く。
結果によってはしばらく帰国できない。

再検査結果を聞く時はドキドキした。
結果、2人とも無事に帰国できるレターをもらえた。本当に良かった。

しかし、帰国しようとすると救世主にまた罵倒された。オープンできてないのになぜ帰国するのか?

実は毎日のように問題が勃発して、予定日に店をオープンできなかったのだ。


救世主は他のコンサル先もあるので、どうしても日本に帰国しなくてはならないという。だから私たちには残れと。また卑怯者だの、諸悪の根源だの、罵倒は続く。

「店舗出店なんて簡単、全部自分がやるから」
って言ったのアンタだよね?

こんな心の言葉を救世主にだけは、伝えてはいけない。
全てが終わってしまう。

しかし言いたい。
でも言ってはいけない。

どれだけ罵倒されても、私は絶対に日本に帰る。
この現状全てに我慢できない。
社長であっても、嫌なもんは嫌だ。
 
問題に対して、3つの対応があるだろう。
①解決策に取り組む。
②解決させないでやり過ごす。結果、問題が問題でなくなる時がある。
③逃げる

この時の私の選択は迷わず③だった。

そして私はミキと帰国した。
救世主からの連続罵倒で、私は自分の存在価値を感じられなくなっていた。もう、どうでも良かった。どうせ一度は撤退を決意していたんだ。どのみちダメだったと思えば良い。
そんな弱い自分が経営者になること自体、間違いだったんだ。


帰国後、私は丸一日寝た。翌日も寝続けた。その後、1週間も同じように寝続けた。コロナの後遺症なのか、うつ病の症状なのか、体が重く、全くベッドから動けない。

なんであんなに罵られ蔑まされないといけないのか、ベッドの中で何度もこのフレーズが浮かぶ。

「救世主とはもう仕事できない」
この記事が気に入ったらシェアしてね
Facebook
Twitter
LinkedIn

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事
Contact
温井和佳奈への取材、講演依頼、途上国SDGsプロジェクトに関するお問合せ、その他お仕事に関するご相談はこちらから